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| 激震≠フ時代の医療界 |
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医療界は、いま激震≠フ時代をむかえている。来年度からサラリーマンの健康保険は三割負担になる。高齢化が進み、健保財政は破綻寸前である。財源が不足すると、四割、五割と進むのだろうか…。そんなことになれば、保険の意味をなさなくなって健康保険制度そのものが崩壊するかもしれない。
この四月からの診療報酬の改定で、診療報酬が2.7パーセント引き下げられた。史上初のマイナス改定である。医師、医療機関にとって収入源につながるわけだから医師たちにとっては大きな衝撃だったに違いない。
マイナス改定と関連するのだが、わたしがもっとも注目するのは、手術件数が満たない病院は規定の手術料を30パーセントカットすると決めたことだ。
たとえば、難度の高い心臓バイパス手術は、一病院の基準は年間百件とする。つまり百件以上の手術をこなさないと規定の手術料の70パーセントに減額されるのである。手術件数のほかに、医師の経験年数、人数など厳しい条件を定めている。ちなみに全国の大学病院の約四割が百件に達していない。
脳腫瘍、脳動脈瘤、肺がんなどは年間、50件以上が基準。一歳未満の乳児への手術(先天性食道閉鎖症、胆道閉鎖症、鎖肛など)は20例以上というように全部で百十種類の手術に適用している。
診療報酬の中にこのような考え方を導入した意図はなにか。 これまではどの病院にも一律診療報酬を払ってきたが、これからは質の高い医療を評価しようということである。症例数が多いほど、すなわちたくさんの経験を積んでいる病院のほうが、手術の成績が良いことは外科医の間で常識であり、研究実績やデータからも証明されていることである。
わたしの友人に心臓内科の専門医箱のように話す。
「わたしは専門医だからどの病院のどの外科医が、手術が上手であるかよく知っています。わたしの患者はそういう病院に紹介します。わたしばかりではなくほかの医師も、その病院に紹介します。するとその病院の手術数は増えていきます。手術件数が増えれば、ますます実力も上がるという好循環をします」
今回の改定は、病院の実力を診療報酬に反映させたということで画期的である。
心臓手術でみれば、北九州市にある社会保険小倉記念病院の手術数は全国で第一位。第二位は東京の榊原記念病院。ともに年間600近い症例数を誇る。 大病院や大学病院でも、25例以下という病院も結構多い一ヶ月に二例くらいでは、技術を向上させていくにはあまりに症例数が少なすぎる。
これは心臓手術だけに言えることではない。とりわけ、がんは症例数の多い病院を選ぶべきだと思う。がんは大きく切ればがんは取り除くことはできる。例えば、舌がんを考えてみる。年に数例しか手術をしない病院は自信がないから舌を大きく切り取る。経験豊富な病院は、ほんのわずか切り取る。大きく切り取られた患者は味覚も言葉も失う。QOL(生活の質)はまるで違う。
この四月からもう一つ大きく変わったことといえば、医療に関する広告規制が大幅に緩和されたことだ。例えば、手術件数や分娩件数も広告してもいいことになった。日本の病院がマスメデァで宣伝する時代はもう少し先だと思うが、ホームページなどでは、どんどん情報を発信するようになるだろう。市民の側も情報を集めて、質の高い医療を提供する病院を選ぶべきだと思う。
患者が病院を選び、病院は選ばれる時代になった。そのためには、医療機関は情報を開示、患者も情報を収集する消費者意識に目覚める必要がある。 |
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