医療ジャーナリスト和田努の「医療・健康・福祉」を考えるコンシューマーヘルス
 
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「けんぽれん病院情報」に期待する
 
 11月の各紙に「けんぽれん病院情報スタート」という広告が掲載された。お目に止まった方も多いことだろう。初老の夫婦がパソコンの前で、病院情報にアクセスしている写真をあしらったも訴求力のあるものだった。

 健保連(健康保険組合連合会)は、「患者中心の医療」の実現をめざし、保険者機能の強化を図ることを目標にしてITを活用した医療情報「病院情報」検索サイトを立ち上げた。まずは健保連の勇断と見識に拍手を送りたい。

 健保連は、「保険者機能」ということを強調してきた。保険者機能とは、私流に翻訳させていただくなら「消費者を守る」ということではないかと思う。 私自身、医療機関は、医療サービスの「提供者」、患者は、医療サービスの「消費者」と位置づけてきた。健康保険組合など保険者は、まぎれもなく、医療消費者の「代理人」といえるのではないか。

 医療消費者は、できるだけ医療の質の高い医療機関にかかりたいと希求している。消費者のニーズに応えるために精度の高い役に立つ情報を提供することは、消費者の代理人としては当然の義務といえよう。「保険者機能」とはなじみにくい言葉であるが、今回の「けんぽれん病院情報」は、保険者機能をわかりやすい形で具現化した画期的な活動であると思う。

 早速アクセスしてみる。全国に病院は、9168病院あるのだが、検索できる病院は2264病院であった(11月19日現在)。主要病院は検索できるが、完全ではない。「まだ完成されたものとはいえない段階ですが、仮公開することにいたしました」と断っている。

 私はこれでいいと思う。情報とは、絶えず更新されなくてはならない宿命を持っている。完全ということは永久にありえないものだ。悪しき完全主義で、スタートを遅らせるならば、いつまでたっても実行する機会は来ないであろう。情報を積み重ね、精度を高め、医療消費者≠ノ信頼されるサイトに育て上げるために持続する志が肝要なのだ。

 「けんぽれん病院情報」は、「疾患名からの検索」「病院名・診療科からの検索」「医学用語辞典」など、患者に役立つサイトにする工夫がこらされている。なかでもインフォームド・コンセントやセカンド・オピニオンへの病院の具体的な取り組みについての情報に力を入れている。セカンド・オピニオンを求める患者に、患者データを惜しみなく患者に提供する病院は良心的な病院であるというムードが高まっているだけに患者に大いに役に立つ情報として受け容れられるに違いない。

 先にも述べたが、歩み始めたばかりのこのサイトは、まだ医療消費者に十分に応えるだけの内容ではない。しかし私が健保連に期待するのは、全国に網羅されている健康保険組合は、またとない情報収集のネットワークだ。さらに医療側が発行するレセプトにアクセスできるわけだから独自の情報で、差別化できる可能性がある。保健機能を具現化した意味は大きい。

http://www.kenporen-hios.com/

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