医療ジャーナリスト和田努の「医療・健康・福祉」を考えるコンシューマーヘルス
 
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2004年
2004年度診療報酬改定の行方は
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2004年度診療報酬改定の行方は
 
 2003年4月からサラリーマン本人も自己負担三割と保険料の総報酬制が導入されたが、健保組合の財政は、好転することなく、いまだ六割を超える組合が赤字にあえいでいる。

 それと対照的に中医協の調査実施小委員会が11月26日、速報した「平成15年度医療経済実態調査」によると、15年6月の医療機関の経営状況は、国公立病院やその他法人立病院を除き、民間病院や一般診療所などの医療機関は黒字であることが分かった。

 5月に発表された国税庁の高額納税者番付で、相変わらず、医師が上位を占めている実態は変わっていない。昨年は、といえば、史上初の診療報酬マイナス改定(2.7%)のあった年である。

 ところで、2004年4月、診療報酬の改定が行われることになっているが、財務省は「診療報酬・薬価あわせて最低限4%程度の引き下げが必要」として、5%近い水準の引き下げ率を提案している。

 日本医師会は、これに対し猛反発をしている。日医は、11月27日、都内ホテルで開かれた自民党の「21世紀の社会保障制度を考える議員連盟」(橋本龍太郎会長)来年度に予定されている次期診療報酬改定について、大幅な引き上げが必要であると主張し、年末の予算編成に反映するよう要望した。改定率換算で4.2%の引き上げを求めた。

 日医が、高額な政治献金をしている自民党に政治協力を求めるのは、いつものやり方なのだが、財務省が5%の引き下げを要求しているとき、4.2%も引き上げてくれという要求は、常識的に見てもいささか無理というものであろう。

 サラリーマンはリストラの嵐のさなか、企業は不況……、こうした厳しい経済情勢のとき、診療報酬ばかりが、値上げされるというのは国民の納得を得ることは難しいだろう。

 診療報酬の改定は、中医協で大詰めを迎えており、予算編成時には決着するだろう。改定率は、予断を許さないが、三l前後のマイナス改定に落ち着くのではないか。

 この秋、日医の坪井栄孝会長が退陣表明した。その直後から2004年4月1日の次期会長選に向けてすでに選挙戦が始まっている。すでに出馬を表明しているのは、日医副会長の青柳俊氏、大阪府医師会長の植松治雄氏、参議院議員の宮崎英樹氏日医常任理事の櫻井秀也氏の四氏。

 青柳氏と櫻井氏は、現職の中医協委員である。診療報酬改定の重要な時期に現職の委員が、出馬することの悪影響を懸念する声もある。それはさておき、日医の会長選は、日医代議員338人の投票で決められる。これまでの日医選は、政策論争はほとんどなく、多数派工作に明け暮れ、票取り合戦だったように思う。真に国民のための医療をどう実現していくのか。21世紀の医療の遠大なグランド・デザインを示して欲しい。開業医のための利益代表に過ぎないのなら、若手の医師や国民は、ますます日医に背を向けるに違いない。

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