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| 変わる医師の臨床研修制度 |
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この四月から医師の研修制度が大きく変わる。医師の研修制度の歴史を振り返ってみると、戦後、GHQ(連合軍総司令部)の要請で導入されたのが「インターン制度」だった。国家試験制度とともに導入されたが、日本の土壌には根づかず、廃止された。
1975年、現行の臨床研修制度へと切りかえられた。この制度は大きく二つの欠陥を抱えていたと思う。その一つは、二年間の研修期間を設けたが、研修を受けるのは義務ではなく、努力目標だったこと。いま一つは、研修医が医術・知識を研鑚する人なのか。労働者なのか、きわめて曖昧だったことだ。研修の場は、主に大学病院、指定された研修指定病院だが、たとえば私立医大病院の場合など、きわめて低賃金で長い労働時間を強いる。生活を維持するためには、市中の病院の宿直のアルバイトをしなければならない。医師として未熟な研修医が一人で宿直をして、医療事故の原因にもなっている。
今春から開始される臨床研修医制度の大きな改正点は二つ。一つは研修医の処遇。研修医がアルバイトをしなくても研修に専念できるように手当てを保障しようというもの。もう一つは研修のプログラム。
最近は専門医志向が強い。その弊害を除くために、24ヶ月の研修期間、内科6ヵ月、外科・救急部門6ヵ月、小児科、産婦人科、精神科など3か月を目安にローテートする。各診療科をくまなく回ることによって、専門分化の弊害を防ぎ、患者を一人の人間としてみるオールラウンドな診療能力を身につけさせようとする狙いである。「スーパーローテート方式」とも言われている。
これまでは大学病院で研修するケースが圧倒的に多かったのだが、今春から大きく様がわりした。大学以外の臨床研修指定病院で研修をしたいという医学生が増えてきたことだ。研修医の大学離れ≠ヘある程度予測は出来たが、現実には想像以上だった。
卒業時に自分が研修を受けたい病院を複数志望し、病院側は採用したい研修医を選考し、コンピュータによるマッチングを行うことになった。言ってみれば「お見合い」だ。研修医の勤務先をきめるマッチングの結果が昨年11月に発表された。
名門・慶應大学病院のケースは関係者を驚かせた。定員100名に対して、マッチしたのが66名(マッチ率66パーセント)。空席34。岐阜大学にいたっては74名の定員に対して、8名がマッチ(マッチ率11パーセント)。なんと空席が66。
一方、定員の何倍もの応募者のあった一般病院も多い。武蔵野赤十字病院(東京)の30倍をはじめ、神戸中央市立病院、三井記念病院(東京)などは10倍以上。虎の門病院、聖路加病院(いずれも東京)などもかなりの競争率だった。
高度に専門化した大学病院よりも、スーパーローテート方式の研修は、一般病院の方がはるかにふさわしいと、医学生が判断したのだろう。大学病院の閉ざされた「医局」構造の解体の兆しとみることもできる。 |
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