医療ジャーナリスト和田努の「医療・健康・福祉」を考えるコンシューマーヘルス
 
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2004年
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ジェネリックという医薬品
 
 最近、テレビで「ジェネリックをご存知ですか?」という類のをCMを、ごらんになった方も多いに違いない。ジェネリック医薬品とは、後発医薬品のことである。新薬の特許期間が満了、厚生労働省による安全性と有効性が確かめられた後に売り出される医薬品のことである。種類にもよるが、後発医薬品は先発品に比べて、2〜8割程度安い。平均すると、半額くらいになる。なぜ後発品が安いかといえば、開発費がかからないためである。先発品、つまり新薬を開発するためには、数百億円規模の開発費がかかる。

 欧米では、ジェネリック医薬品は日本に先んじて普及している。アメリカ、英国は全体の医薬品の50パーセントを超えているし、ドイツなども50パーセントを超える勢いだ。日本は約10パーセント強。

 スイスの製薬会社、ノヴァルティス社を取材したとき、この7年間に、ジェネリックの売れ行きは2.5倍の伸びであると言っていた。なぜ、急成長するか、と聞いてみた。「長い時間を経てジェネリックは、洗練され高いスタンダードを保有しています。それに価格が安い。医療の消費者(患者)にとってすぐれている医薬品なのです」(同社担当役員)

 世界的に医療費を抑制しようという状況があり、その事が後押しをしていることも事実だろう。日本も例外ではない。坂口厚生労働相は「国立病院などはジェネリックを使ってほしい」と呼びかけ、診療報酬の改定も行い、ジェネリックを使えば、処方した医師に2点(20円)調剤薬局に2点加算するようになった。

 サラリーマンの医療保険も三割負担になった。効能も同等のジェネリックを処方してもらえば、薬代の負担が軽減される。例えば、高脂血症の薬の場合、先発品は、30日分の薬代が4,536円、三割負担で1,360円。ジェネリックを使えば2,748円。536円の負担減になる。年間約6,500円の節約になる。生活習慣病の場合、長期に服用するから馬鹿にならないし、二剤、三剤と薬を飲む人も多い。

 大学病院や国立病院もジェネリックを導入する病院も増えている。ある大学病院の場合、入院患者の薬代だけで数億円単位の節減になると言う。

 欧米の薬剤師には「代替調剤権」が与えられている。医師が処方した医薬品を、その医薬品と同じ成分のジェネリック医薬品に代替することができるという権限を与えている。ところが日本は、認められていない。これが普及しないひとつのネックである。

 そこで坂口厚生労働相は、アイデアを出している。医師が、とりあえず、先発品を処方しても、患者が「ジェネリックの方がいい」と意思表示した場合、処方箋に、例えば、★印でもつけてもらい、それを調剤薬局に持参。ジェネリックを調剤してもらえるというものだ。考えてみれば、患者は医療の消費者である。自分の薬は自分が選ぶ権利がある。その際、医薬分業をしている医療機関に行くことが必要である。日本ジェネリック研究会会長で、国立長野病院の武藤正樹副院長は、「市民、医師、薬剤師が一体となって質の良いジェネリックを育て上げていくことが、これからの課題です」と言う。ジェネリック元年と言われる今、ジェネリックを考える必要があるだろう。

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