|
|
 |
| 【2005.01.12】DPC支払い方式が医療を変えるか? |
| |
医療関係者以外の人は「DPC支払い方式」といってもなんのことかよく分からないにちがいない。私たちが医療機関で受診すると、医療保険から診療報酬が支払われる。これまでは基本的には、出来高払い≠セった。出来高払いは、医療行為を重ねることによってどんどん加算される仕組み。これに対して包括払いは、疾病別に診療報酬が予め決められ、定額が支払われる方式だ。
DPC方式は「診断群別包括払い」とも言われ、疾病ごとに一日の入院医療費(定額)を決めておく。いくら薬をたくさん処方しても、検査を重ねても定額しか支払われない。
DPC方式が複雑で分かりにくいのは、すべてが包括払いではなく、手術・麻酔・高価な薬剤料(インターフェロンなど)、高度の技術を要する検査(内視鏡、心臓カテーテルなど)は出来高払いとなる。あとの入院基本料・検査・画像診断・投薬、注射などが包括払いとなる。さらに診断群別に平均在院日数が決められていて、在院日数がそれより短い場合は、加算され、平均在院日数を超してしまうと、減額される仕組みになっている。
2003年4月から、全国82の特定機能病院(大学病院の本院、国立がんセンター、国立循環器病センター)に、DPC方式が導入された。
DPCの導入で何が変わったか。特定機能病院である大学病院の平均在院日数がドラスティックに短縮されたことだ。だらだらと入院日数を延ばしていると、減額になるから、入院日数の短縮されることになったわけである。もっとも短縮が顕著だったのは福島県立医大だ。25.42日から16.88日(8.54日短縮)。
いまもっとも平均在院日数が短いのは日大板橋病院の14.80日。もっとも長いのは熊本大学病院の24.25日。同じ大学病院でこの差はなんなのだろう?
日本の病院は欧米と比べて、在院日数が桁はずれに長い。その意味で大学病院がコスト意識に目覚め、在院日数を短縮しているのは評価すべきであろう。しかしコスト意識のみが先行して、まだ軽快、治癒していない患者を追い出すようなことだけはしてはなるまい。
DPC方式の導入で顕著な現象は、大学病院がジェネリック医薬品を導入する動きがでたことだ。ジェネリックとは、先発品が特許切れになって安価に提供される医薬品のことだ。価格は新薬に比べて約半額。世界ではジェネリックを使うのが当たり前になっている。欧米は、数量ベースでシェア50パーセント以上の普及率である。日本は12パーセントにすぎない。しかし大学病院が、どんどんジェネリックを導入しだしてくると、シェアも延びていくにちがいない。
11月27日、「日本ジェネリック研究会学術大会」(大会長・武藤正樹独立行政法人国立病院機構長野病院副院長)が東大鉄門記念講堂で開かれた。メインテーマは「DPC時代のジェネリック医薬品」。基調講演で東邦大学大森病院の小山信彌院長は「ジェネリックを導入。薬剤購入費は削減され、病院収支は約1パーセント好転した」と報告。DPCが大学病院だけでなく多くの病院に導入されるのは時間の問題だろう。この制度はこれからの医療界の台風の目玉と言っていいかもしれない。 |
|
|
 |